でも実は、部屋を整えるために長時間の片付けや、完璧を目指すような努力は、必ずしも必要ではありません。大切なのは、「一気に全部片付ける」ことよりも、日々の生活の中で“自然と整っていく仕組み”を作ること。そして、その仕組みは、特別な道具や技術がなくても、今日から少しずつ始められるものなんです。
この記事では、忙しい毎日を過ごす女性にこそ取り入れてほしい「暮らしながら整える」というやさしい片付けの考え方をご紹介します。さらに、部屋が散らかりにくくなる“7つの習慣”を具体的にまとめました。初心者の方でも無理なく試せる工夫ばかりですので、気になる見出しから読み進めていただければうれしいです。
「片付けたいのに時間がない…」と感じる理由

毎日のタスクが多すぎて、片付けはつい後回し
朝起きてから夜寝るまで、仕事、家事、育児に追われる日々。気づけば一日が終わっていて、自分のための時間なんてほんのわずか。
そんな状況の中で「今日は片付けできなかったけど、まあ仕方ないかな…」と先送りになってしまうことも少なくありません。「片付けは時間があるときにまとめてやればいいや」と思っているうちに、気づけば物が少しずつ溜まり、散らかった状態が“日常”になってしまうこともあります。
片付け=大仕事というイメージがある
片付けるという行為に対して、「気合いを入れてやるべきこと」「集中して一気に終わらせなきゃ」という思い込みを持っていませんか?このようなイメージがあると、「今は疲れているから無理」「時間がないとできない」と考え、片付けに取りかかるハードルが高くなってしまいます。そうすると、ますます後回しにしてしまい、結果として散らかった状態が続いてしまうのです。
実際には“少しだけ整える”でも充分なのに、最初から完璧を目指そうとしてしまうと、動き出すのが難しくなる場合もあります。
物の定位置が決まっていない
使った物を戻す場所が決まっていないと、「とりあえずここに置いておこう」と、その場しのぎの仮置きが習慣になりがちです。郵便物や書類、小物類など、行き場のないものが部屋のあちこちに滞留しやすくなると、気づけば空間全体がごちゃごちゃした印象に…。また、定位置がないと家族との共有もうまくいかず、「あれどこ行った?」と探し物が増えて、ストレスの原因になることも。
物の住所をきちんと決めることが、片付けやすさと散らかりにくさを両立させる第一歩となります。
「暮らしながら整える」とはどんな考え方?
片付けを特別なイベントにしない
「暮らしながら整える」とは、日常の動作の中に片付けや整理の要素を自然に組み込むという考え方です。
たとえば、朝食の片付けを終えたあとにテーブルを拭く、洗面所を使ったあとにサッと排水溝の髪の毛を取る、といった「ついで」のアクションも立派な“整える”行動です。掃除や収納を「よし、今から片付けるぞ!」という特別なイベントにしないことで、心理的なハードルを下げ、日常の延長線上で無理なく続けられるようになります。また、家の中を見渡しながら動くクセがつくと、「ここ、少し整えておこうかな」という気づきも生まれやすくなり、自然と部屋が整いやすくなります。
完璧を目指さず、できる範囲で続ける
毎日すべてを完璧に整えようとすると、いつしか負担になってしまうことがあります。
忙しい日が続くと「今日はできなかった…」と落ち込んでしまうことも。しかし、暮らしながら整えるスタイルでは、「少し整ったらOK」「全部じゃなくて一部で大丈夫」という柔軟な姿勢が大切です。たとえば、今日はキッチン周りだけ整えられた、洗面所の棚をひとつ拭けた、など“できたこと”に目を向けることで、達成感も感じやすくなります。そして「今日はこのくらいにしよう」と自分に優しくできることで、継続しやすくなるのです。
完璧を目指すのではなく、自分の暮らしに寄り添った整え方を見つけていくことが、心地よい部屋づくりの第一歩になります。
部屋が散らかからない仕組みを作る7つの習慣
1.仮置きカゴで「迷子の物」を一時的にまとめる
家の中で行き場を失った物たちが積もると、散らかった印象が強くなりがちです。郵便物、子どもの作品、ちょっとした文房具など「後で片付けよう」と思ったものは、専用の“仮置きカゴ”にまとめておくと便利です。
あらかじめ置き場所を決めておけば、「とりあえずここに入れる」という習慣ができ、他の場所に物が広がるのを防げます。週末など時間ができたときにカゴの中身を見直せばOKなので、精神的な負担も軽減されます。カゴはリビングや玄関など、家族全員が使いやすい場所に置くとより効果的です。
\とりあえず置ける場所があるだけで、心にも余裕が生まれます/
2.使う場所の近くに収納を作る
物の“帰る場所”が遠いと、戻すこと自体が面倒に感じてしまうこともあります。
たとえば、リビングで使うリモコンをわざわざ別の部屋に戻すのは手間に感じるもの。そこで、使う場所の近くに収納スペースを設けるのがポイントです。よく使う文具やケア用品はリビングの一角にボックスを設けたり、寝室で読む本はベッドサイドにかごを置いたりするだけで、「戻すのがラク」=「散らかりにくい」流れが生まれます。
収納の数より“場所との関係性”を意識して配置することがカギです。
3.掃除道具はすぐ手に取れる場所へ
「気づいたときにすぐ掃除」ができるようにするためには、掃除道具の“配置”が重要です。
クイックルワイパーやコロコロ、ハンディモップなどは、あえて目立たない場所に“出しっぱなし”にしておくのも一つの方法。キッチンの隅や洗面所の棚の中、リビングの家具の後ろなど、視界の邪魔にならず手が届きやすい位置に置いておくと、気づいたときにサッと手を動かしやすくなります。
「出す→使う→片付ける」という手順を最小限にすることで、掃除が特別な家事ではなく、日常動作の一部になっていきます。
\見えるところに置いても気にならない、おしゃれな掃除グッズを/
4.床に物を置かない意識をゆるく持つ
床は“最後の平面”とも言われ、物が集まりやすい場所です。
つい荷物を床に置いてしまうと、それが常態化してしまい、部屋全体が散らかって見えてしまうことも。とはいえ、「絶対に置かない!」と意気込むと逆にストレスになるので、「なるべく置かないようにしようかな」くらいのゆるい意識でOKです。
たとえば、バッグやランドセルを置くためのカゴを玄関やリビングに設置するだけでも、床置きが減り、空間に余白が生まれます。視界がスッキリすると、それだけで部屋全体の清潔感がぐっと上がります。
\床置きが減ると、空間にも気持ちにも余白ができるように感じます。/
5.1日5分だけ整える時間を作る
「時間がない」と感じる人ほど、意識して“5分だけ整える時間”をつくることがおすすめです。
タイマーをかけて、今日はキッチンの引き出しひとつだけ、玄関の靴を整えるだけ…など、スモールステップで実行するとハードルが下がります。5分なら気合いも必要なく、毎日続けやすいのがポイント。さらに、短い時間でも毎日積み重なることで、気づいたら「片付けが習慣になっていた」という流れが自然にできあがります。
忙しい日々の中でも、自分のペースで無理なく続けられるのが魅力です。
6.家族とルールを共有する
自分だけが頑張って片付けをしていると、やがて疲れてしまいます。
家族がいる場合は、「使ったら戻す」「郵便物はここに入れる」など、簡単なルールを共有しておくことが大切です。ルールはあくまで“家族全員が守れること”を前提に考えるのがコツ。紙に書いて冷蔵庫に貼る、ボックスにラベルをつけるなど視覚化すると、家族も意識しやすくなります。
また、子どもにも片付けが「楽しい」と感じられるように、色や形で遊び心のある収納を取り入れるのも効果的です。
7.リセット用ボックスを活用する
「今日はどうしても片付ける余裕がない…」という日があるのは当たり前。そんなときに頼りになるのが“リセット用ボックス”です。
リビングやキッチンなど、散らかりやすい場所にひとつボックスを置いておき、散らかった物をとりあえずそこにまとめて入れるだけ。視界がスッキリするだけでも気持ちが軽くなります。後日、少し余裕があるタイミングで中身を見直せばOK。「一時避難できる場所がある」というだけで、散らかった状況に対するストレスがぐっと減ることがあります。
習慣化のコツ|無理なく続けるために
「毎日できなくてもいい」と考える
どんなに意欲があっても、忙しい日々の中では「今日は無理…」という日が出てきて当然です。
そんなときに、「できなかった自分」を責めるのではなく、「明日はまた少しやってみようかな」と、気持ちをリセットできる考え方が大切です。習慣化には“継続”が必要ですが、それは“連続”ではありません。途中で休んだ日があっても、また再開すればいいという柔軟な発想が、長く続けるための鍵になります。
「毎日は無理でも、できる日はやってみる」その積み重ねが、暮らしの中に自然と馴染むスタイルを作ってくれます。
7割収納を目安にする
収納がパンパンだと、物をしまうのが面倒になり、片付けが億劫になる原因にもなります。
そこでおすすめなのが「7割収納」の意識です。収納スペースの中に少し余白を持たせることで、出し入れがスムーズになり、自然と片付けやすくなります。また、「ここには〇〇だけ」とジャンルごとに収納場所を分けておくと、探し物も減って効率的です。ぎゅうぎゅうに詰め込むのではなく、「余裕」を持たせることで、空間にも気持ちにも余白が生まれ、毎日の整えやすさが変わってきます。
休日にまとめてやらない
「片付けは週末に一気にやる」と決めてしまうと、体調や予定次第でうまくいかないことが増えてしまいます。特に週末は家族の予定も入りやすく、自分のための時間が思うように取れないことも。
だからこそ、平日に“ほんの少しずつ”でも整える習慣を取り入れるのがおすすめです。たとえば、夕飯の後に5分だけ食器棚を整える、寝る前にソファ周りをリセットするなど、小さな整えを積み重ねることで、休日の負担がぐんと減ります。結果的に休日は「ゆっくり休む日」として使えるようになり、心身のリフレッシュにもつながります。
よくある疑問Q&A
収納が少ない部屋でも整いますか?
はい、収納スペースが限られている場合でも、工夫次第で部屋を整えることは可能です。
まずは「持ち物の見直し」から始めてみましょう。使っていない物や重複しているアイテムを手放すことで、収納にゆとりが生まれます。また、収納グッズを見直すのも効果的です。縦に使える収納ラックや、デッドスペースを活用できるつっぱり棚、引き出し内の仕切りボックスなどを使えば、小さな空間でも効率よく片付きます。さらに、「見せる収納」と「隠す収納」を使い分けることで、見た目にもスッキリ整った印象になります。
子どもがいても続けられますか?
子どもがいると、どうしても物が増えたり散らかりやすくなったりするのは自然なことです。
でも、続ける工夫をすれば大丈夫です。ポイントは「完璧を求めすぎない」ことと、「一緒にできる仕組みを作る」こと。たとえば、おもちゃや絵本を片付ける“おうち”を決めておくことで、子ども自身も遊びながら戻すことができるようになります。ラベルや写真を貼って視覚的にわかりやすくするのも◎。また、リビングや玄関など、共用スペースだけでも整えておくと、気持ちがぐっと楽になります。「全部は無理でもここだけ整えばOK」と、ハードルを下げることも長続きのコツです。
三日坊主になりがちでも大丈夫?
もちろん大丈夫です。むしろ「毎日やろう」と気合を入れすぎると、続かなかったときに落ち込んでしまいがち。三日坊主を繰り返しても、また思い出したときに再開できれば、それは“ゼロ”ではありません。
大事なのは、「できる日に、できる分だけやる」という柔らかい姿勢を持つことです。たとえば、「今日は5分だけ整えよう」「玄関だけでもキレイにしよう」など、小さな目標を立てると動きやすくなります。日常の中で“片付けスイッチ”が入る瞬間を増やしていくことで、少しずつ無理のない習慣に変わっていきます。
まとめ|忙しくても部屋は少しずつ整えられる
片付けは、何時間もかけて一気に仕上げるような“特別な家事”ではなく、日々の中で少しずつ積み重ねていくものです。たとえまとまった時間が取れなくても、1日5分だけ、1カ所だけでも整えられたら、それは立派な「片付けの一歩」。完璧を目指さなくても、毎日の生活の中に小さな工夫を加えることで、部屋は自然と散らかりにくくなっていきます。
たとえば、帰宅後すぐにカバンを決まった場所に置く、食後にテーブルを拭く、寝る前にリビングを見渡して1つだけ整える——そんな“暮らしのついで”にできる整え習慣が、あなたの毎日を少しずつ快適に変えていってくれるはずです。
何より大切なのは、「自分にとって無理なく続けられる方法」を見つけること。そして、「できた日を褒める気持ち」を忘れないことです。
今日から少しずつ、「暮らしながら整える」スタイルを取り入れて、がんばりすぎずに心地よい部屋を育てていきましょう。
\見えるところに置いても気にならない、おしゃれな掃除グッズを/

